Team(社員紹介)
看護の経験を、“聴く力”に変えて――がん患者さんに寄り添う新しい選択
がん事業部 がん相談サポーター
田辺 葉美 / 安藤 奈実
Hami Tanabe / Nami Ando
2023年入社 / 2022年入社
田辺:私は看護師として9年間大学病院の急性期病棟で勤務していました。最初の4年間は総合診療内科という混合病棟、後半の5年間は消化器や呼吸器領域のがん患者さまが多い内科外科の混合病棟です。手術後の管理や、抗がん剤治療、放射線治療を受ける患者さまの看護を行ってきました。
安藤:私は10年弱急性期病棟を中心に成人から小児科まで経験しました。がん領域に携わっていたのは3年ほどで、乳がんや肺がん、泌尿器系のがんを担当していました。
田辺:「もっと一人ひとりの患者さまと向き合う時間を作りたい」と感じたことがきっかけです。急性期病棟のため入院期間が短く、患者さまは治療が終わったらすぐ退院されます。しかし退院後もがん患者さまはがんと共に生活していくことになります。そういったみなさまを、入院期間だけでなく長い目でサポートできる仕事がしたいと考えるようになったからです。
安藤:病棟で働いているときの業務は診療の補助や患者さまの観察、療養生活のサポート、入退院の調整が中心でした。もちろんやりがいはありましたし、患者さまが少しでも安心して治療に専念できるように支えられる存在であればと思っていました。しかし、自分の働き方として病院の外に目を向けて視野を広げたいという気持ちもありました。
田辺:求人をたくさん見ていくなかで、がん相談サポーターという仕事の存在を知り、「患者さまと向き合って話をすること、丁寧に時間をかけて対応すること」が実現できる仕事だと感じました。
安藤:病棟では複数の患者さまを同時に受け持つため、支援の必要性を感じながらも十分な時間をかけられないことも多く、もどかしさを感じていました。がん相談サポーターは、1件1件の相談に集中することができ、今その方に必要な支援をやりきる感覚が得られるのではないかと思い挑戦したいと思いました。
田辺:電話やチャットでがん患者さまやそのご家族さまからの病気や治療などの不安やお困りごとをお伺いし、一緒に考え整理をすることで、がん患者さまが安心して治療に臨むことができるよう、サポートする仕事です。相談の内容は相手によって本当にさまざま。診断を受けられたばかりの方、がんの疑いがある方もいらっしゃいますし、今後治療を行う病院を決めていく方もいらっしゃいます。治療の副作用で悩んでいる方や、再発してしまった方からのご相談もあります。
安藤:私もメインの業務は相談対応です。それに加えて、新しく入ってきたメンバーの研修や指導、サービスを充実させるための施策の検討、業務の効率化も担当しています。スタッフの専門性を高め、相談の質を高めるために日々奮闘しているところです。
田辺:電話対応は一対一で、がん患者さまやそのご家族さまとしっかり向き合えます。集中してお話できる点が病棟時代とは異なりますね。病棟時代は日々の業務で精一杯で、しっかりとお話ができないまま退院されることも少なくありませんでした。いまは丁寧に話す時間を作ることができていると感じています。
安藤:病棟時代はスケジュールに沿って、医師の指示のもと看護をしていました。がん相談サポーターになってからは自分がより責任を持って相談に向き合う必要があるので、その点に大きな違いを感じています。また、自分がまだまだ成長できるという実感を持てていることも、病棟時代からの変化です。
安藤:がん相談サポーターはシフト制です。早いスタートと遅めのスタートがあるのですが、夜勤がありません。休日も固定されていますので、休日の過ごし方が変わりました。
今は平日1日と日曜日がお休みですが、有休も取りやすいので、土日で連休をとって遊びに行く機会が増えました。ゴールデンウィークや年末年始も連休になるので、世間の大型連休のムードを体感できるようになりました。病棟時代は無縁だったので、とても嬉しいです。
田辺:夜勤があるときは生活リズムがバラバラで、疲れがなかなか取れず、休日を家で休んで過ごすことも多かったです。今は生活リズムが整ったことで身体の負担が減り、プライベートの時間を充実させることができていると感じています。
安藤:それから、毎日同じメンバーと顔を合わせて仕事ができる点も病棟との違いですね! 身体を動かす仕事から、じっくり頭を使う仕事になったとも感じています。落ち着いて丁寧に調べ物をする時間もできています。
田辺:入社すると、まずは電話対応の基礎研修が始まります。座学だけでなくロールプレイングも繰り返し行います。前職で電話対応をしたことがないメンバーも多く、最初は言葉が出てこず、敬語も上手に使えません。それでもみんな徐々にできるようになっていきますね。
電話対応のテストをクリアしたら、受付担当として電話にでるようになります。その後、受付対応に慣れてきたら詳細のヒアリングをするようになり、さらに実践を重ねて相談対応に入ります。ひとつずつ段階を踏んで不安を解消しながら進みますので、未経験の方でも安心して取り組んでいただけるかと思います。
安藤:当社にはプリセプター制度があります。新入社員1名につき、1名の先輩社員がプリセプターとして関わる制度です。プリセプターの役割として、看護業界ではメンタル面でのサポートが中心かと思いますが、当社ではそこに研修や業務的なサポートも加わります。入社されたばかりの方は、プリセプターをはじめとした様々なメンバーがサポートしますので、一歩ずつ無理なく進んでいけると思います。
安藤:プリセプターからサポートを受けている後輩社員をプリセプティーと呼んでいます。プリセプターは、一番身近な先輩として、プリセプティーが心身ともに健やかに働ける環境を作っていきます。私や田辺さんのように病棟看護師からがん相談サポーターになった方は、ギャップを感じることが多いと思います。プリセプター自身がどういったところで苦労したか、どう乗り越えていったかを伝えるのも、私たちプリセプターの役割です。
田辺:私のプリセプターである安藤さんは、ひとりで抱え込んでいる不安や心配ごと、もやもやを一番に相談できる存在です。「これでよかったのかな」と悩むような対応を相談すると、一緒に振り返り、今後に活かすためにはどうすればよいのかをフィードバックしていただけます。定期的に1on1を実施してもらえるので、現在の自分の成長具合や課題、悩みも相談できます。苦しいときに気にかけて話を聞いてくださり、すごく支えられています。
田辺:私たちのチームはさまざまなバックボーン、経験を持つメンバーが集まっていますが、がん患者さまとそのご家族さまのことを最優先に考えていること、よりよいサービスを提供するためにどうすればよいのかを考えている点において、同じ方向を向いています。なんでも相談し、話し合いながら質の高いサポートを提供しようと協力し合えるチームです。
安藤:会社全体で、私たちがん相談サポーターが働きやすい環境を整えてくれています。チーム内に限らず、ほかの部署の方々もサービスを維持するために尽力してくださっていますね。とても働きやすい環境だと思います。
安藤:入社時に比べるとステップアップしていると思いますが、まだまだ辿り着けていない領域があります。疾患や相談内容だけでなく相手の特性を見極めて対応していくという部分は自分の課題だと感じます。経験や知識といったサポーターとしてのスキルアップはもちろん、的確な指示を出す、方向性を示すといったチーム全体を牽引する役割も担えるようになれたらと邁進しているところです。
田辺:私は、疾患の知識や情報の伝え方など、まだまだ学ぶべきことがたくさんあると感じています。手元にカルテがない中で、電話でのやりとりを通じて相手の病状や心境を理解し思いに寄り添うことの難しさを痛感することもあります。 今後はがん相談サポーターとしてさらなる経験を積み、がん患者さまやそのご家族さまに安心して相談いただけるような存在になりたいです。
安藤:がん相談サポーターは、“がん患者さま、そのご家族さまのためになりたい”という強いモチベーションを持っています。全員が同じ目標を見据え、チーム全体で解決しようという意識が根底にあります。最初は慣れないかもしれませんが、それぞれの専門性を尊重しながら自立していけるようなサポート体制が整っておりますので安心してくださいね。
田辺:「電話対応でがん患者さまの相談対応をすることは難しいのでは? 自分にできるかな?」と不安になる方もいらっしゃるかと思います。どういったお仕事なんだろうと疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
ですが、研修体制がしっかりしていますし、チーム全員で考えて対応します。相談内容によっては悩むこともありますが、話し合える仲間がいます。悩んだ分、相談者さまの力になれたときのやりがいは大きいです。
「がん患者さまのお力になりたい」と少しでも興味をお持ちいただけた方は、私たちと一緒にその思いを形にしてみませんか? ご応募をお待ちしております!