Team(社員紹介)
病院の枠を超えてもっと患者さまの力に――社会福祉士として辿り着いた新たな支援のかたち
がん事業部 がん相談サポーター
戸部 民子
Tamiko Tobe
2023年入社
介護施設で10年ほど相談員として働き、その後はケアミックス型の一般病棟でソーシャルワーカーとして7年勤務しました。患者さまの療養に関する相談を中心に、後半は責任者として、学会に参加したり地域会議に出席したりと、地域の窓口のような役割も担っていました。
私は純粋に、患者さまの相談に乗ることが好きでした。ですが、医療ソーシャルワーカーは入れ替わりが激しく、在籍年数が長くなると管理職に抜擢されやすい職種です。管理職になって、対外的な業務が増えるにつれて患者さまとお話をする時間が減ってしまったんですね。
ちょうどその頃、子育ても落ち着いてきたタイミングだったので、これからは自分の専門性をもっと磨きたいと考えるようになりました。
病院時代は高齢者の方の支援をすることが多かったのですが、高齢者支援を通じて生活や生き方に寄り添う支援の必要性を強く感じることができました。その人の考え方、生き方に共感することによって、関係性を築くことができ、結果として良い支援に結びつく体験をしてきました。
高齢になることもがんになることも、誰も望んでなるわけではありません。だからこそ、患者さまやそのご家族さまの生活や生き方に寄り添い、一緒に考えていける支援ができるのではないかと考えました。
電話やチャットでのがん患者さまやそのご家族さまの相談対応です。それと並行して後輩の育成も行っています。私は比較的早い段階で入社していますが、がん相談サポーターの人数は入社時と比較して2倍以上になりました。研修にも関わっていますが、今でも私のメイン業務は入社時に志していたとおり相談対応です。
患者さまの療養上の不安に関する相談を受け止める点では同じですが、方法が大きく異なります。医療ソーシャルワーカーは面談が基本ですが、がん相談サポートは電話がメインです。チャットによる対応も前職では経験していなかったので、最初は不安もありました。
また病院では明確な分業制でした。病気や治療の相談は医師や看護師、薬剤師の仕事でそれ以外がソーシャルワーカーの仕事といった線引きでした。ハッチヘルスケアの相談対応では、基本的にお客様と一対一でやりとりしますので、社会福祉士であっても病気や治療の相談にのりますし、看護師であっても高額療養費制度等の相談に対応します。必要に応じてそれぞれの職種にバトンタッチすることもありますが、相談内容が多岐に渡るという点も前職との大きな違いですね。
基本的な研修に加えて先輩の対応時の音声を聞いて学びました。また自分の対応を振り返ることで身につけてきました。表面的にうまくお話ができたように思えても、実は相談者さまにあまり響いていないケースもあります。「もうちょっと説明できたのでは」といったケースは、質問の順番やお話しの仕方を一つずつ見直して次に活かすようにしています。
入社後の研修は充実していますが、私はがん領域が未経験だったので、自主的に学びました。本を購入して理解を深めたり、個人で申し込めるがん専門相談員の研修を受けたりしていましたね。今でも日々新しい知識をインプットしています。
やはり、中立的な立場で直接相談者さまの相談に乗れることです。 第三者として客観的に相談に乗ることは難しくもありますが、より相談者さまに寄り添った対応ができることにやりがいを感じています。一人の相談者さまと長く向き合い続けることができることもがん相談サポーターの魅力ですね。1年以上相談してくださっている相談者さまもいらっしゃるんですよ。
それぞれバックグラウンドは異なりますが、病院での一通りの経験がある方が多いです。ただ、相談者さまに寄り添いたいという強い気持ちは共通しています。「ここまででいい」というリミットを作らず「もっとできたのでは」と常に追求する姿勢です。
社会福祉士も看護師も、病院での多忙な日常業務のなかでここまで相談に乗ることはなかったのではないかと思います。だからこそ、自分で限界を決めずに「相談者さまのためにできることはなんだろう」と常に考えているんですね。
例えば、看護師資格をもつがん相談サポーターは高額療養費制度などの社会福祉制度もしっかり説明できるように新しい知識を身につけようとしています。私も疾患や治療法などの知識をインプットするために日々邁進しています。
とても風通しのよいチームです。入社時期や経験に関係なく誰でも自由に意見を言える雰囲気があります。「こう対応すればよかったかもしれない」といった振り返りをチーム全体で行えるのが、このチームの良さだと思います。
お客さまとお話をすることが好きな人には向いていますね。加えて電話でのコミュニケーションが苦手ではない方です。他にも常に自分の対応を振り返って、メンバーに共有して深く考えられる人がよいと思います。さきほどお話したように「新しく学びたい」という意欲もあるとよいですね。
がんに関する疾患の勉強をしつつ、社会保障制度の改定等の新しい情報も取り込んでいくことが目下の目標です。勉強会などの研修は随時開催されていますので、それと並行してベースとなる知識や新しい情報を取り込んでいく自分なりのルーティンを確立できたらいいと考えています。そのうえで、さまざまな疾患の相談にも乗れるようになれたらなと。
また、教える立場としてもチームに貢献できたらと思っています。社会福祉士としての経験や視点、知識を活かして看護師さんや他職種の方が対応しづらい社会福祉制度に関する部分をサポートできたらと考えています。
医療ソーシャルワーカーとして長年働いてきた方にとって、新しい環境に飛び込むことは勇気がいることかもしれません。でも、「新しいことに挑戦したい」「自分の強みを増やしたい」と考えている方には最適な環境です。ぜひ一歩を踏み出して応募していただけたら嬉しいです。